「方針を確認しましょう」を英語で言うと?
《例文1》
I feel like I missed something critical during the morning round.
(朝の回診中に大事なことを聞き逃した気がします)
OK, then let’s run the list.
(分かりました、それでは全患者の方針を確認しましょう)
今回紹介するのは“run the list”という、医療の世界での独特の表現です。
知っていれば決して難しくはない表現ですが、知らないと何を言っているのかさっぱり…、かもしれません。ここでいう“the list”とは「全患者のリスト」のことです。たとえば、あなたのその日の受け持ち患者が10人いるとしたら、その10人が掲載されたリストです。
“run”は、皆さまご存じの「走る」を意味する動詞ですが、ここでは「リストを確認していく」といった意味になります。イメージとしては、「日々の入院診療の中、忙しい時間の合間に患者リストを上から順番に走り抜けていく」ような感じです。
《例文2》
Let’s run the list to make sure that we are on the same page.
(方針が一致しているか確認するために、各患者のやるべきことを順番に見ていきましょう)
《例文3》
Guys, we’ll meet at 3pm and run the list for any problems.
(みんな、午後3時に集まって、問題がないか患者リストを確認しよう)
指導医が研修医に対し、あるいは後期研修医が自分の下に付いている初期研修医に対して“Let’s run the list.”と言った場合、患者リストを上から順番に見ながら、各患者の治療方針やto doリストを確認し、抜けがないか、あればそれを付け足していく作業を行います。
具体的には…
(研修医)
「Aさんには、今日は6時間おきに生化学検査をとって、Naをフォローします」
(指導医)
「あと、尿検査も忘れないでね」
といったようなやりとりを順番にしていくのです。
忙しい日ほど“run the list”が大切になるので、まさに「走る」感覚でテンポ良く会話していくのがポイントです。
米国の臨床現場にいなければなかなか使うことのない表現かもしれませんが、“run”の面白い使い方としてご紹介しました。
■医師・薬剤師・医療系学生の為の医療英語学習プログラムはこちらから■