「治療に当たる」を英語で言うと?
《例文1》
医師1:This acute respiratory failure is likely due to heart failure exacerbation. Should we call cardiology?
(この急性呼吸不全は心不全増悪による可能性が高いと思います。循環器内科にコンサルトすべきでしょうか?)
医師2:Cardiology has already been on board.
(循環器内科もすでに[この患者の]治療に当たっていますよ)
《例文2》
Both GI and general surgery are on board.
(消化器内科と一般外科が共に[この患者の]治療に当たっています)
《例文3》
Is palliative care team on board.
(緩和ケアチームは治療に当たって[コンサルト済み]ですか?)
《解説》
ここで出てくる on boardの“on board”は、もともとは「board=船などの床板」に由来しています。
乗船時や飛行機の搭乗の際に、“Welcome on board.”という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。
すなわち、“on board”は「(船や飛行機などの)乗り物に乗り込む」という意味合いで、“Welcome on board.”
と言えば、「ご搭乗ありがとうございます」という意味になります。
そこから転じて、「研修医のローテーターや医学生が、病院やチームに新しく加入してきた」というようなシーンで、“Welcome on board.”(新しいチームにようこそ)という意味で使うことができるフレーズです。
この“on board”は一般的な表現ですが、今回の例のように、医療者同士でのコミュニケーションでもよく使われます。XX is on board.という言い回しで、「XX科がフォローしています」「コンサルト済みです」といった意味になるのです。
イメージとしては、「患者さんという船」に、「主治医チーム」のほかに「コンサルタントとして他科(たとえば循環器内科)」も乗船してきた、という感じです。そんなイメージを持ってCardiology is on board.と聞くと、「循環器内科も患者の診療に参加している」という意味合いがつかめるのではないでしょうか。
もちろん、もっと直接的に“We consulted cardiology.”、“Cardiology is following this case.”
などと言うこともできますが、英語はイディオム(習慣的な言い回し)が好まれる言語なので、
このような表現も医療現場ではよく使われています。
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