「悪魔の代弁者を演じる」を英語で言うと?
《例文1》
医師:I plan to use Drug A for his pain, and Drug B is the backup option.
(私は薬剤Aを彼の痛みに使う予定です。薬剤Bがバックアップの選択肢です)
医師:Sounds good, but let me play the devil’s advocate. What would you do if both Drug A and B do not work?
(良い考えですが、あえて反論してみます。もし薬剤AとBがどちらも効かなかった場合はどうしますか?)
《例文2》
For the sake of argument, can you tell me your plan B if your initial therapy does not work?
(議論を深めるためですが、もし最初の治療が有効でなかった場合のプランBを教えてもらえますか?)
《例文3》
I am not opposing the idea but just playing the devil’s advocate.
(私はその考えに反対ではないですが、あえて反論をしているだけです)
《解説》
日本語のことわざも同様ですが、英語の慣用句の中には、言葉どおりの意味ではなく、
逸話などに基づいて、まったく別の意図で使用されるフレーズが多くあります。
“play the devil’s advocate”は直訳すれば
「悪魔の代弁者を演じる」となります。
私が最初にこのフレーズを聞いた際は、単語の意味はわかっても、
意図するところはまったくわかりませんでした。
このフレーズの由来はローマ教会の“devil’s advocate”という役職に由来するとされており、
“devil’s advocate”は特定の宗教の儀式において、
「負の情報だけを提供する役割」を担っていました。
ここから、議論などの場で「あえて反論する」「反対役を買って出る」といった意味で使われます。
英会話の聞き取りでは、このような慣用句が出てきた際に、真の意味を理解しておくことが重要です。
“play the devil’s advocate”は、
直接的な表現である“for the sake of argument”と言い換えることもできます《例文2》。
“play the devil’s advocate”はどちらかというとポジティブな表現であり、
「議論を深めるためにあえて反対の立場をとっているが、相手を批判する意図はない」
というメッセージを伝えることができます《例文3》。
■医師・薬剤師・医療系学生の為の医療英語学習プログラムはこちらから■