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アメリカの医学部に進学するには?日本との違いや留学の方法を解説!

  • 医療英語学習コラム

将来海外で活躍する医師になりたいと考えている学生にとって、最初に思いつく留学先はアメリカではないでしょうか。世界の最先端を行く臨床研究に加え、医療従事者が働く環境が整備されている面からも、アメリカで医師として働くことに興味を持つ方は多いと思います。現在アメリカで活躍する医師の多くは、日本で医学部を卒業してから臨床留学や研究留学で渡米していますが、日本の高校からアメリカの大学へ進学して医師になる方も一定数います。この記事では、日本の高校からアメリカの医学部へ留学する方法をお伝えします。

アメリカの医学部に入るのは難しい

アメリカの大学に「医学部がない」ことはご存知でしょうか?
日本と違い、アメリカでは大学院から医学教育を受けることができます。そのため、まずはアメリカの一般の大学を卒業し、4年制の「メディカルスクール」を受験して、入学しなければなりません。
少し調べてみると、アメリカ国籍を持たない外国人がメディカルスクールに進学するのは簡単ではないことがわかります。メディカルスクールへは多額の税金が投入されているため、卒業後アメリカに貢献する人材を優先的に育成することが前提となっているのです。

実際に半数以上のメディカルスクールでは、アメリカ国籍または永住権を所持している人しか、受験することすらできません。卒業後もビザの発給を支援してくれる就職先を見つけなければならないため、大学からアメリカに留学して医師になるのは狭き門となっています。
しかし、実際に日本の高校を卒業してアメリカの大学・メディカルスクールに進学した人も少数ながらいます。メディカルスクールに合格した学生の1割ちょっとはアメリカ国籍を持たない学生というデータが公開されていますので、アメリカのメディカルスクールを目指す方は早めに情報収集をはじめ、留学へ向けた計画を立てましょう。
参考: AAMC(米国医科大学協会)

アメリカの医学部と日本の医学部の制度上の違い

日本の医学部では1年次から準備教育が始まり、4年から臨床実習、6年で医師国家試験を受験しますが、アメリカでは一般の大学を卒業後、メディカルスクールに進学してはじめて医師になるための教育を受けることができます。

アメリカの医学部は大学院(メディカルスクール)から

アメリカでは「医師は人として豊かな経験を積んで、医学以外の幅広い知見を持つべきである」という考えから、大学で学士号を取得した者でなければメディカルスクールへ出願することができません。様々な背景を持った人が暮らすアメリカらしいですね。
大学時代の専攻は文学でも社会学でもかまいませんが、メディカルスクールの出願には「pre-medical courses(医学部の予備過程)」として認定される単位(生物学、生化学、科学、物理学など)を取得する必要があります。メディカルスクールへの進学に興味がある場合は、早めに志望校の出願要件を調べておきましょう。

メディカルスクールの教育カリキュラム

多くのメディカルスクールで、M.D=Doctor of Medicine(医学士)の修士号を得るための課程は4年間です。前半2年で講義と実習、後半2年で臨床実習と研修医研修を行います。カリキュラムはLCME(Liaison Committee on Medical Education)とよばれる独立の公的機関が審査します。スクールによって特色が違いますので、希望する分野が決まっている人は、どのようなカリキュラムで学ぶことが出来るか調べてみましょう。

アメリカの医学部への入り方

メディカルスクールは日本の大学院にあたりますので、進学する為には、まずアメリカの総合大学(CollegeではなくUniversity)を卒業し、4年制のメディカルスクールを受験して合格する必要があります。

アメリカの大学に進学して学士号を取得する

アメリカの大学に進学するためには、以下の準備が必要です。

・学校の成績(GPA 平均2.0以上)
・エッセイ(志望動機の小論文)
・推薦状(出身校の先生などから英語で書いてもらいます)
・テスト(SAT)のスコア
・面接

難関大学への進学を希望する場合、GPA(Grade Point Average)やSAT(Scholastic Assessment Test)の高スコアが求められます。また、アメリカの大学入試では人間性やリーダーシップが重視されますので、ボランティアなどの課外活動も経験しておきましょう。また、大学では、生物系の授業など必修科目もあるものの、学部はどこでも構いません。メディカルスクール進学を目指す学部生はpre-medical(pre-med)と呼ばれ、授業で良い成績を収めるだけでなく、ボランティアや病院での見学なども続けて精力的に行います。なお、外国籍の学生がメディカルスクールへ進学したい場合、学部時代の研究内容も重要なアピールポイントとなります。例えば、過去にメディカルスクールに合格した日本人学生は、感染症対策や統計の研究を行っていました。

メディカルスクールに入学する

メディカルスクールは入学競争が激しいため、学部での4年間の過ごし方を含めて入念な準備が必要です。一般的な出願条件は以下になります。

・pre-medical coursesの単位取得(生物学、生化学、科学、物理学などの必修単位)
・MCATのスコア提出
・Personal Statement(志望動機)
・推薦状
・ボランティアやリーダーシップの経験

出願書類を提出し、審査に通れば面接を受けることができます。面接では、研究経験や成績、推薦状、Personal Statement(志望理由の小論文)などのほか、ボランティアや職場見学の経験、リーダーシップ経験などから総合的に評価して合否が決まります。

MCATを受験

メディカルスクールの出願に必要なMCATは、”Medical College Admission Test”の略です。約7時間に及ぶテストで、三ヶ月?半年ほど対策して受験する学生が多いようです。MCATのスコアは受験生のスクリーニング目的で使われます。Physical Science、Biological Science、Verbal Reasoning、Writing Sampleの4技能が試されます。毎月開催されますので、複数回受験してベストスコアを提出することが可能です。

アメリカの医学部留学にかかる学費

アメリカの私立大学卒業までにかかる学費は、4年間で約 -3,500万円(年間300-500万円)です。公立大学でも外国人学生は年間250万程度掛かりますので、日本の大学に進学する場合と比べて高額になります。メディカルスクールの学費は州立・私立ともに4年間で約2,000万円程です。アメリカの大学とメディカルスクールを卒業すると、学費だけで最低約4,000万円掛かる計算です。生活費についても年間約250-350万円ほど見込んでおくといいでしょう。

アメリカでは大学生活に掛かる費用をCOA(Cost of Attendance)といいます。学費のほか、生活費や教材費など、大学へ1年通うためにかかる諸費用全てのおおよその金額のことです。大学のウェブサイトにCOAの金額が記載されている場合が多いので、受験を検討している場合は調べてみてくださいね。

アメリカの医学部卒業後、医師免許を取得する方法

アメリカで医師免許を取得するためには、日本の医師国家試験のような存在であるUSMLEをStep 3までパスすることと、卒業後の研修が義務付けられています。指定された研修病院でレジデント(初期研修医)として1~2年間働いた実務経験がなければ医師免許を申請することができません。医師免許の詳細な交付条件は州ごとに異なりますので、免許取得前に確認する必要があります。

USMLEに合格

USMLEは”United States Medical Licensing Examination”の略です。Step1、2、3の三つの試験で構成され、基礎医学・臨床医学に関する知識や技能が求められます。Step1~3、全てに合格しないと医師免許を取得できません。

Step1は基礎医学試験、Step2 CKは臨床医学試験、Step3. 臨床医学試験となります。もともとStep2にはCSと呼ばれる模擬医療面接の試験もありましたが、コロナウイルス感染症の影響で廃止され、2022年は代替としてOET(The Occupational English Test)のスコア提出が必要になりました。各Step1人4回までしか受験できませんので、最新情報を調べてから受験対策を始めましょう。
参考: USMLE

受験の対策には「FIRST AID for the USMLE」という参考書やNBMEやUWorldの模擬試験が有効です。USMLEの概要と対策方法について知りたい方は、以下の動画で合格者の体験談を聞くことができます。
▼USMLE合格体験談

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研修医として3年間勤務する

メディカルスクールを卒業した後は、初期研修(レジデンシー、3~6年)を受けます。研修後「Board Certification Examination(認定試験)」に合格すると、初めて一般内科医として活動できるようになります。医師として一人前になるまで、日本では医学部6年間、研修医2年間の合計8年ですが、アメリカでは学部4年間、メディカルスクール4年間、初期研修3年間の計11年が最低でも必要です。
その後、専門研修(フェローシップ、3~10年)に進んで専門科認定試験の合格を目指します。
なお、研修先の病院を決める選考を「マッチング」といいます。卒業後のキャリアを決める重要な選考のため、激しい競争率となります。

アメリカの医師の年収

一般的に、アメリカの医師の給与は前期研修医で年収5-6万ドル(600~700万円)、後期研修医で7-8万ドル(900~1000万円)、一般内科医で18-20万ドル(1300~1500万円)と言われています。都市部では物価も高いので、研修時代は日本より厳しいという声もありますが、専門医になると、診療科によっては野球選手ほど稼げるともいいます。特に心臓外科医(cardiac surgeons)は給与が高く、平均年収で40万ドル(5000万円)にも及びます。夢がありますね!

アメリカの医学部進学から医師になるまで

さて、ここまでアメリカで医師になる方法を解説してきましたが、まとめるとこのような流れになります。

スムーズにいけば、19歳でアメリカの大学に入学し、30歳で医師免許を取得できることになります。アメリカの大学に進学するためには、学校の成績や推薦状を英語で提出する必要がありますので、周りの協力は必須です。まずは保護者の方や学校・塾の先生に相談してみましょう。
アメリカの大学はリーディングやエッセイ、ディスカッションなどの課題が多く出されることでも有名です。現段階で大学の授業を受ける英語力に自信がない場合は、日本の医学部に進学してから臨床留学を目指す方法もありますので、自分にあった進路を見つけましょう。

医学部留学のためには情報収集と英語力の向上が重要

アメリカの医学部(メディカルスクール)に留学するためには、英語を勉強するだけでなく、最新の受験情報を収集をした上で計画を立て、挑戦する必要があります。日本語の情報は限られていますので、現地で働く医療従事者とのコネクションを作ったり、英語で情報収集をするなど、主体的に準備していきましょう。渡航後の体験や在留資格、学資ローンなどに関しても経験者に話を聞いてみると参考になります。

医学部留学の情報収集や医療英語学習なら「めどはぶ」

山田悠史先生(NYマウントサイナイ大学病院)が代表を務めるMedical English Hub(めどはぶ)では、オンラインサロン(学生は参加無料!)を通じて、米英で活躍する医師や薬剤師、看護師に直接質問したり、アドバイスを受けることができます。オンラインサロンには、海外で働くことを目指す医学生や医師、薬剤師が全国から参加していて、刺激しあって英語を学習できる環境です。原田洸先生が主催する「臨床留学部」にも学生メンバーは無料で参加できますので、情報収集をはじめたい方にはピッタリです。

また、アメリカ在住の医師たちの講義を直接受けたい場合や自己学習を習慣化したい場合は、3ヶ月間のオンライン研修「医療英語プログラム」に参加するのもおすすめです。

将来海外で働いてみたいけれど英語力に不安がある方、何から学習し始めればいいか分からない方は、まず語学学習アドバイザーとの無料カウンセリングで相談してみてはいかがでしょうか。

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